何年か前に読んだときにも興味深かったが、いま思うと、わたしは頭で理解して、自分の知識をほんの少し増やしただけだった。
それから、自分の人生でも大きな波をかぶり、藁にもすがる思いで再び手にとった。
言葉の一つ一つが、わたしのこころの傷に染み込んでいった。
それは、わたしを慰めるだけでなく、きびしく問うものでもあった。
「お前は、人生のレッスンで何を後回しにしてきたのか?」
その中でも「ほんものの自己」のレッスン。
なにが自分の本音なのか、分からなくなっていた。
ようやく自分のこととして読めるようになったと思う。